保護猫のトライアル期間中にしておくべきこと【無理なら断念することも大切】
以前の記事でもお伝えしましたが、コロナ禍で在宅時間が長くなったことで、ペットを飼いたいと思う人が増えています。
散歩のいらない猫に人気が集まり、「保護猫」という言葉も知られるようになってきました。
緊急事態宣言が解除され、保護猫の譲渡会や保護猫カフェの営業も再開しつつあります。そんななか、保護猫の里親になりたいという人が増えるのはとてもうれしいことです。
今回は保護猫の里親になるなら知っておきたい、「トライアル」について深掘りしてみたいと思います。
保護猫のトライアルとは?
トライアルとは、保護猫を正式譲渡する前にお試しで猫ちゃんと暮らしてみるというものです。
トライアル期間は2週間~1か月ほどです。猫ちゃんは環境の変化に弱いため、トライアル期間中に「慣れる」とは限りません。どうしても新しい環境に慣れず、里親になることを断念せざるを得ないということもあります。
また、保護主にとっては、本当にこの人に里親になってもらって大丈夫なのかを確認する大切な期間でもあります。
トライアルは保護猫だけでなく、里親、里親の家族、保護主の不安を解消するために必要不可欠なことなのです。
保護猫の正式譲渡までの流れ
譲渡会・保護猫カフェ・里親募集サイトで気になる猫ちゃんに出会ったら、里親に申し込みます。申し込み先によって若干の違いはありますが、保護猫の里親になるまでの流れをまとめました。
1.譲渡条件の確認
2.里親に申し込む
3.猫ちゃんとお見合い
4.契約書を結ぶ
5.トライアル
6.譲渡費用支払い
7.正式譲渡
トライアル開始までに準備すべきこと
「この子といっしょに暮らしたい」という保護猫に出会ったら、里親になるための手続きを進めます。問題なければトライアル開始となりますが、その前に準備しておかなくてはならないことがあります。
家族会議
保護猫を飼うことに家族全員が賛成していますか? また、食費や医療費はもちろん、避妊去勢手術、完全室内飼い、終生飼育についても話し合っておいたほうが安心です。
部屋の片付け
自宅を猫ちゃんが安全に暮らせる環境に整えなければなりません。場合によっては訪問によるチェックも行われます。
猫ちゃんの生活スペースになる部屋の整理整頓、掃除は必須です。小さなアクセサリー、電気コード、観葉植物はケガや誤食の危険があります。猫ちゃん目線でチェックするようにしましょう。
脱走対策
成猫の場合は力が強いので引き戸や網戸は簡単に開けてしまいます。また、ちょっとの隙をついて、玄関から脱走してしまうこともあります。施錠する、柵をつけるなどの脱走対策が必要です。
猫グッズの用意
猫ちゃんを迎えるために必要なグッズを揃えましょう。トイレ砂やフードについては慣れたもののほうが良いので、保護主さんに確認するようにしましょう。
まずは、トライアル開始時に絶対に必要なものから準備します。
・トイレ
・食器
・キャリーバッグ
・ケージ
・隠れられるベッド
・毛布かタオル
猫ちゃんの様子を見ながら、以下のものも揃えます。
・おもちゃ
・爪とぎ
・キャットタワー
・爪切り
・ブラシ
トライアル中にチェックすること
いよいよ猫ちゃんとのトライアルが始まったら、遊びたい、構いたい気持ちをグッとこらえて……新しい環境に慣れてもらうことを優先します。
ケージ内にトイレ、隠れられるベッド、フード、水を置いて、猫ちゃんが落ち着くまで静かに過ごします。
最初はごはんを食べないかもしれませんが、猫ちゃんのペースで焦らずゆっくり。2~3日かけて、少しずつ距離を縮めるようにしましょう。
家族の協力体制
猫ちゃんの安全対策や脱走対策については、家族全員の認識を合わせなくてはなりません。人間の食べ物をあげない、ドアを開けっ放しにしないなど、家族で協力して対策できるようにしましょう。
猫アレルギー
猫を飼い始めてから猫アレルギーに気づく、ということは多いです。トライアル期間中に、家族に猫アレルギー反応がないかどうか確認しておきましょう。
先住猫・先住犬との相性
先住猫・先住犬がいる場合、初日からいきなり対面させることはNGです。別室、もしくはケージに覆いをするなど、音や臭いなどから少しずつ対面していきます。お互いに威嚇することがなくなったら、ケージから出してみます。
先住猫・先住犬がストレスを感じていないか、体調を崩していないかなど、よく観察するようにしましょう。
保護主への連絡
保護猫にはツライ経験をした子もいます。保護主さんは、保護猫がもうツライ思いをせずに里親のもとで幸せになることを願っています。
飼育放棄や不適切飼育の心配がないかどうか、里親としてふさわしいかどうかをチェックしたいと思うのは当然ですね。
トライアル期間中は保護主さんとやり取りをし、猫ちゃんの様子を伝えるようにしましょう。わからないことや不安なことがあれば、遠慮なく聞いてみてくださいね。
正式譲渡前に考えたいこと
トライアルを終え、問題がなさそうなら正式譲渡になります。
しかし、残念ながら正式譲渡を断念するケースもあります。「家族が猫アレルギーだった」「先住猫・先住犬と相性が合わなかった」「家族が反対した」など様々な理由がありますが、無理して飼うよりも「見送る」という判断も大切です。
それを確認するためにトライアル期間があるのです。
末永くいっしょに暮らすために
猫ちゃんの寿命は15年と言われていますが、20年以上生きるご長寿の猫ちゃんも少なくありません。これから先、15年以上いっしょに暮らせるか、よく考えてみてください。
猫ちゃんが病気になれば医療費がかかります。気軽に旅行に行くこともできないかもしれないし、壁や家具を傷つけられるかもしれません。いまは元気な子猫でも、齢を重ねると介護が必要になるかもしれません。
正式譲渡を希望する前に、家族全員の意思を必ず再確認してください。
まとめ
思わぬ形でペット需要が高まっていますが、心配なのはコロナ後に飼育放棄が増えるのではないかということ。自由に外出できるようになって、「やっぱり飼えない」という状況は避けたいものです。
保護猫の里親になるということは、命を救うということです。
本当に命を預かれるのか、最期までいっしょに暮らせるのか。その覚悟を持てるかどうか、トライアル期間で再確認してほしいなと思っています。
というわけで、今回は「保護猫のトライアル期間中にしておくべきこと【無理なら断念することも大切】」の話をしてみました。
参考になれば幸いです。
では、また。
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