高齢猫の看取りボランティアとは?【猫のターミナルケア(終末期)】

高齢猫の看取りボランティアとは?【猫のターミナルケア(終末期)】

全国で猫の殺処分件数がまだ0とならない背景にあるのが、引き取りを拒否されやすい高齢猫の存在です。引き取り手の見つからない高齢猫を殺処分から救うための取り組みとして、近年猫の看取りボランティアが注目されています。ここでは里親以外に高齢猫を救える、看取りボランティアの活動内容や、実際に看取られる高齢猫の過ごし方についてまとめました。高齢猫の看取りボランティアについて興味のある人は、ぜひ参考にしてください。

猫の看取りボランティアってなに?

人間と同じく、猫ちゃんも年を重ねます。高齢猫を救うための看取りボランティアについて見てみましょう。

猫の看取りボランティアってなに?

看取りボランティアとは高齢猫の最期を看取るボランティアのこと

野良猫や飼い主が飼えなくなった猫ちゃんは、地域の保健所や動物愛護センターに引き渡されます。殺処分されてしまう猫ちゃんたちを新しい飼い主さんに譲渡することで、猫ちゃんたちを救う里親の取り組みが盛んになりました。その一方、里親を募集しても譲渡が難しいのが高齢猫です。地域にいる野良猫たちが高齢化してきた、飼い主も高齢になった、または高齢による死別のため飼えなくなった、という理由から、保健所や動物愛護センターには多くの高齢猫も引き渡されています。

高齢猫は持病がある、介護が必要、子猫から育てたい、などの理由から一般の人への譲渡が難しくなっています。この譲渡が難しい高齢猫を引き取るのが看取りボランティアです。殺処分ではなく、幸せな最期を迎えるために、看取りボランティアの活動が行われています。

NPO法人などで高齢猫の看取りを専門に行っている施設は、人間の介護福祉施設のように高齢猫を施設で預かりケアをするのが特徴です。一方で、看取りボランティアは一般の家庭の人が自宅で高齢猫を預かり、最期まで愛情を持って看取る活動内容になっています。

日本動物福祉協会が看取りボランティアを募集している

看取りボランティアは、公益福祉法人日本動物福祉協会が募集しています。日本動物福祉協会は、里親募集や動物相談、啓もう活動など動物を虐待から守るための活動を行っていて、そのなかにひとつに看取りボランティアがあるのです。

看取りボランティアになりたい、と思ったら日本動物福祉協会へ連絡し、活動を始めることになります。

外部リンク:高齢動物の看取りボランティア募集(日本動物福祉協会)

猫のターミナルケア(終末期ケア)の現実

死が近づくターミナル(終末期)をいかに本人らしく、満足のいく最期を迎えられるように行われるのがターミナルケアです。人間と同じく、猫のターミナルケアも重要視されるようになりました。

猫のターミナルケア(終末期ケア)の現実

猫のターミナル期の過ごし方

高齢化社会にともない、ターミナルやターミナルケアという言葉を聴いたことがある人も多いかもしれません。ターミナルケアとは、死を目前に迎え、本人に安らかな最期を迎えられるように行うケアです。具体的には人生の満足度、どれだけ自分らしく生きているかの指標であるQOL(クオリティオブライフ)を維持するために、延命ではなく病気の痛みや苦しみを緩和させて、精神的な安らぎや残りの時間を充実して過ごすために行うケアを指します。

延命させるための積極的な治療は、ときに痛みや苦痛を伴います。高齢猫の場合も、延命治療より痛みや苦しみを緩和させるターミナルケアを選び、自宅で介護しながらターミナルを過ごし、最期を看取ることが多くなりました。

猫のターミナルケアをする飼い主の苦労

高齢猫のターミナルケアは、看取る飼い主さんにとっても大きな負担です。高齢猫は認知機能の衰えから今までできていたこともできなくなり、トイレも失敗するようになります。ほかにも、昼夜の逆転、食欲がなくなる、徘徊するなど飼い主はつきっきりで介護が必要になるのです。

仕事をしている人なら、猫ちゃんを放っておけないため日中はペットホテルやシッターさんに預けることもあるでしょう。肉体的にも金銭的にも負担が大きくなりますが、何よりも日々弱っていく猫ちゃんを見るため、精神的な負担もとても大きくなるのです。

看取りボランティアをリスペクト

大きな負担のかかるターミナルケアや看取りは、今まで愛情深く育ててきた飼い主さんでも辛いと感じるでしょう。一方で、今まで関わりのなかった高齢猫を引き取り、最期までケアする看取りボランティアは、簡単にできるボランティアではないのが分かります。

ただ猫が好き、という気持ちだけでは務まらない看取りボランティアはとても尊い活動と言えるでしょう。

まとめ 高齢猫の看取りボランティアは今後も需要が増える

高齢猫の看取りボランティアについて紹介しました。高齢化社会を迎え、人間だけでなく高齢猫の背景にも多くの問題があります。今後も高齢猫の看取りボランティアは需要が増える一方、負担が大きいためなり手が少ないのも現状です。猫ちゃんのために何かしたい、と思ったら看取りボランティアについて考えてみるのも、ひとつの選択肢と言えるでしょう。

 

というわけで、今回は「高齢猫の看取りボランティアとは?」の話をしてみました。
参考になれば幸いです。

こちらの記事も合わせてご覧ください。

ご質問や励ましコメントをいただけると嬉しいです。

では、また。

\ 支援物資を送るには /
【Amazon動物保護施設支援プログラム】
Amazon動物保護施設支援プログラム
Amazonで新型コロナウイルスの影響をうけている動物保護施設の支援物資を送ることができます。

Amazonを見る

株式会社ぽぽねこ代表取締役。長年、ペット業界に従事。動物愛護団体への寄付を通じて、 猫の殺処分ゼロ活動を支援している。

プロフィール

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。