【保護猫を迎える】先住猫がいる場合に気を付けること

【保護猫を迎える】先住猫がいる場合に気を付けること

すでに猫ちゃんと暮らしているけれど、縁あって2匹目の猫ちゃんを迎えることになった場合。先住猫との新入り猫の関係が気になるという方は多いのではないでしょうか。
NPOなどの保護猫団体を通じて猫ちゃんを迎える場合、ダニや寄生虫、病気の検査はすでに終わっている場合が多いです。健康だからすぐに先住猫と対面させても大丈夫かと言うと、決してそうではありません。人間同様猫ちゃん同士にも相性があり、また猫という動物が持つ習性に十分に配慮しなければいけません。
今回は、先住猫がいるご家庭が新しく保護猫を迎える場合、気を付けるべきことをご紹介します。先住猫と保護猫の対面方法の例も載せていくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

猫は縄張り意識の強い、群れない動物

猫は縄張り意識の強い、群れない動物

日向でまどろむ姿や、飼い主さんに甘える様子を日頃から見ているとつい忘れがちになりますが、猫ちゃんは本来縄張り意識の強い単独行動派の生き物です。群れて暮らすことは少なく、自分のテリトリーを守る習性があります。野良猫同士の縄張り争いの声を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
縄張り意識は室内飼いの猫ちゃんにももちろんあります。先住猫にとってお家は自分のテリトリー。そのテリトリーにある日突然他の猫ちゃん(保護猫)が現れたとなっては、穏やかではありません。

新しく保護猫を迎えた場合、多くの先住猫は怖がったり怒ったりといった防衛反応を示します。特に幼少期から飼い主さん以外と関わる機会がなかった猫ちゃんほど、警戒する傾向にあるようです。
また新入り猫の方も、馴染みのない場所・音・匂いに非常に緊張しています。猫の習性を考えれば先住猫・新入り猫(保護猫)の反応はどちらも至極当然のもの。飼い主さんがまずその点を理解して、双方が安心できる環境づくりを心がけることが大切です。

先住猫と保護猫の隔離期間を設けよう

先住猫と保護猫の隔離期間を設けよう

猫ちゃん同士を対面させる前に、先住猫と保護猫がお互いに新しい環境に慣れるよう、十分な隔離期間を設けましょう。新入りの猫ちゃん(保護猫)をゲージや水、ごはんといった生活用品一式と一緒に別の部屋に隔離するのが一般的な方法です。
別の部屋が用意できない場合は、トイレや水と一緒に保護猫をゲージの中に隔離し、ゲージの周囲を段ボールや布などで覆って先住猫から見えないようにします。先住猫の性格や猫ちゃん同士の相性もありますが、隔離期間は最低一週間は見ておきたいところです。

新しい猫ちゃんの気配や匂いを察知すると、先住猫は威嚇したり情緒不安になったりする場合があります。筆者の実家には1歳違いの男女の2匹の猫ちゃんがいるのですが、14年前、当時1歳だった先住猫(♀)は、新しくやってきた新入り猫(♂)が玄関に入った途端、2階にいるにも関わらず唸り始めました。生まれてからずっと一人っ子として可愛がられてきた先住猫にとって、新入り猫は招かれざる客だったようです。こんなに縄張り意識の強い子だったのかと驚いたのを覚えています。

大切なのは、先住猫の生活環境やペースを最大限尊重することです。飼い主さんはいままで通り一対一でスキンシップを取るようにして、先住猫を安心させてあげましょう。
先住の猫ちゃんの中には、新しい猫ちゃんに飼い主さんを取られたと感じる子もいます。多頭飼いの場合は、先住猫を常に優先するくらいの心持ちでいることをおすすめします。

先住猫と新入り猫の対面方法

先住猫と新入り猫の対面方法

保護猫が新しい部屋に慣れてきた頃合いを見計らって、双方の距離を少しだけ縮めてみましょう。先住猫と新入り猫の隔離期間中から対面までの一連の流れを挙げてみます。

(1)お互いの匂いを知らせる

先住猫と保護猫が使っている毛布やタオルケットを交換し、お互いの匂いを知らせましょう。保護猫の顔や口などを拭いたタオルを先住猫がいる部屋の壁にこすりつける方法もおすすめです。

(2)お互いの姿を確認させる

猫ちゃん同士がお互いの匂いに慣れ始めたら、短時間だけ保護猫のいる部屋のドアを開けてみましょう。別々の部屋が用意できない場合は、ケージを覆っている段ボールや布の一部分だけ開けます。

(3)短時間だけ対面させる

お互いに怯えや威嚇がなくなったら、短時間だけ保護猫のいる部屋に先住猫を入れてあげましょう。同じ部屋で生活している場合は、ケージから保護猫を出してあげます。どちらも短時間で、飼い主さんが見守っていることが条件です。

上記は一例ですが、大切なのは時間をかけて、ゆっくり慣れさせていくこと。また、猫ちゃん同士の対面時は飼い主さんがそばにいることが必須です。

隔離期間から対面まで、どのくらいの時間が必要になるかは猫ちゃんの性格次第です。先ほどお話した筆者の実家の先住猫と新入り猫は、先住猫が慣れるまでに1ヶ月ほど要しました。仲良くなるのは無理かな…と家族皆が思い始めたある日、先住猫はすべてを受け入れたかのように新入り猫に歩み寄り始めたのです。彼女なりに頭の中で身の回りの環境の変化について考え、受け入れる決断を下したのでしょう。そのけなげな姿に、一層この子を大切にしようと誓いました。

猫ちゃん達にとって、急激に変わる環境は大きなストレスです。飼い主さんはそのことを念頭に置き、彼らが状況を理解し、また新しい環境を受け入れる準備ができるまで、焦らず見守りましょう。

先住猫と新入り猫、どちらも幸せに暮らせるように

先住猫と新入り猫、どちらも幸せに暮らせるように

ちゃん同士を対面させた後も、お互いが自分のスペースを持てるよう、一定の距離を保つことも大切です。また、猫ちゃんはごはんやトイレ、水飲み場の共有を嫌がる傾向にあります。必ずその猫ちゃん専用のごはんやお水、トイレを用意するようにしましょう。
特にトイレは猫ちゃんが2匹いるなら3つ準備するなど、余分にひとつ用意して、使う場所を選べるようにするのがおすすめです。

先住猫と新入り猫(保護猫)が幸せに暮らせるかどうかは、飼い主さんにかかっているといっても過言ではありません。
新しい環境に慣れるのは、人間にとってもストレスですよね。猫ちゃんも同じです。
先住猫や新入り猫の気持ちになって、猫ちゃん達が幸せに暮らせるよう、気を付けたいですね。

というわけで、今回は「【保護猫を迎える】先住猫がいる場合に気を付けること」の話をしてみました。
参考になれば幸いです。

では、また。

東京都出身。猫3匹と人間1人で暮らす新米ライター。猫ちゃんの魅力にぞっこんな日々を送っています。

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