保護猫の「命のバトンを受け継いだ最終ランナー」になること【保護猫の里親体験談/大阪】
シングルマザーになり、ライフスタイルの変化を機に保護猫の里親になったすぎさん。保護猫の里親になることは、「命のバトンを受け継いだ最終ランナーになること」と、語っていただきました。そのエピソードをぜひご覧ください。
先代猫との別れを乗り越え、保護猫の里親に
ーーむつきちゃんの里親になった経緯を教えてください
当時小学3年生の娘が、捨て猫を拾ってきてミルクをあげたりお世話してたんですね。その子は極度の栄養失調だったようで、1ヶ月ほどでお空へ帰ってしまいました。
動物を飼うと別れはつきものです。突然のお別れに、もう飼うのはやめようかとも思ったのですよ。でも家族みんなで相談したところ、別れる悲しさよりも飼っていた時の楽しさや、可愛らしさ、手から伝わる小さな命の温もりが忘れられず、また飼おうということになりました。一番可愛がっていた娘の落ち込みようが見ていられなかったのも、大きかったですね。
ーー里親になろうと思った理由はどのようなものでしたか?
実は、むつきの前にも猫を飼っていたんですよ。捨て猫を拾ってきてそのまま飼ったみたいな感じで、そんなこともあり命をペットショップで選んで買うことに、抵抗がありました。ペットショップに行くと、確かにかわいいし買いたくなるんですが、上に値札がついてるじゃないですか、ローン可なんて書いてあるの見るのがどうも苦手で。確かにうちはシングルマザーで経済的に余裕もないですが、経済的に余裕があってもペットショップでは買わないと思います。命に値段がついてるのが好きじゃないんです。そんな考えもあり、ペットも家族だと思うので、ご縁があればうちに自然に来て欲しいなと猫を飼おうと思った時に、知り合いに「猫が欲しいんだけど知り合いにいないかな」と話したり、譲渡会を調べていました。
ーー猫ちゃんをどのように探しましたか?
知り合いに聞いたりもしました。最終的にはネット検索した中で、場所が近く日時の都合もあった豊中保健所主催の譲渡会です。アニマルライフ豊中さんから譲りうけました。
ーー猫ちゃんに会いに行く前にやったこと、不安だったことはありましたか?
さっきも話したのですが、むつきの前にもノラ猫を拾ってきて飼っていたので、特に不安はなかったです。ふすまや柱がガリガリされないかは、トイレのしつけはできるかなは心配でした。
明るい雰囲気の保健所で、保護猫との出会い
ーーむつきちゃんとの出会いはどのようなものでしたか?
初対面はジトーッとした目でこちらを眺めていたので、「ぶさかわちゃん」という印象でした。
ーー保健所や譲渡会の光景やそこで感じたことを教えてください
保健所というと正直暗くて、汚いイメージがありました。訪れて見ると百聞は一見にしかずでした譲渡会場も明るい雰囲気で、掃除が行き届いている印象でした。譲渡会は想像以上に、にぎわっていました。係の人も親切で、1匹でも多く飼い主が見つかって欲しいと1匹づつのかわいいポイントを丁寧に話されていたのが印象的でした。殺処分寸前の命を救いたいという思いを持った人が多くいることに、世の中まだ捨てたものじゃないなと感じました。
ーーむつきちゃんを選んだ理由を教えて下さい
娘は黒猫がいい、私は茶トラがいいと言っていました。譲渡会場に黒猫と茶トラが1匹づついました。むつきはジト目なところが、逆に可愛くてツンデレな感じがよくてむつきに決めました。
ーーむつきちゃんはどんな過去のお持ちでしたか?
兄弟と一緒に、ダンボールに入れられて捨てられていたと聞いています。保護された時はミルクを飲むのもやっとなくらい衰弱していたようです。
ーーむつきちゃんを決めたときに思ったこと、感じたことを教えてください
これから我が家の一員になるので、家になじんでくれるといいなと思いました。まだ小さく痩せていたので、前の猫のこともあり、長生きしてほしいなと思いました。
ーー里親になるまでの流れを教えてください
会場でこの子が良いと申し出ました。申し込み後猫を迎えるのに必要なものを教えてもらい、最後まで責任を持って飼えるかの確認。去勢手術をさせることへの同意。室内で飼うことの確認。などいくつかの確認事項がありました。双方の都合が良い日に自宅まで連れてきてくれました。
ーー申し込み〜家庭訪問〜譲渡決定までのエピソードを教えてください
小学生の娘が黒猫を買ってみたいと言ってることを伝えると、アニマルライフ豊中の方が「きっと名前はジジじゃない?」と言っていました(笑)。結局違う名前を娘がつけたのです。アニマルライフ豊中さんが我が家に連れてきた時、ケージからだして抱っこして別れを惜しんでいる様子が印象に残っています。短い間でも、大切に育てていたのが伝わってきました。その様子をみて「大切な猫ちゃんを頂くんだ」と最後まで責任もって飼おうと改めて思いました。
ーー我が家に迎えてから現在まではどのように過ごしてきましたか?
むつきが我が家にきたのは、私がシングルマザーになり子どもたちにとっても大きく環境が変わった時期でした。忙しく仕事をする私は家にいることが少なく、留守番の長い時間をむつきと過ごすことで、寂しさも紛れ楽しい時間になったのではないかと思うんです。
むつきは犬みたいなところがあって、誰かが帰ってくると玄関まで迎えにきてくれるんですよ。「おかえり」と言っているように、首をかしげて待っている姿に癒された日は数えきれません。エサを食べる時も「みて!みて!」とニャーニャーアピールして誰かが見守る中でえさを食べるという甘えたさんです。自分を末っ子だと思っているのか、子どもたちや私に上手に甘えてきます。下の娘は自分より下と思っている節があるような態度も、家族の笑いを誘っています。
一度消えかけた命が、誰かの手で救われる
ーーこれから里親になるひとにアドバイスをお願いします
一度消えかけた命が、誰かの手で救われ、命のバトンを受け継いだ最終ランナーが里親だと思います。ご縁があっていただいた命を最後まで、愛情をもって引き受ける覚悟が必要だと思います。とはいえ難しく考えるよりは、新しい家族を迎えた時の気持ちをいつまでも忘れることがなければ大丈夫です。笑顔あふれる時間が増えることは間違いありません。小さな命と歩むあなたの人生がひかり輝くものになることを願っています。
飼い主:すぎ けいこ
大阪府在住|猫飼育歴:9年
実家では犬を飼っていました。大人になってから猫好きになり、むつきで3匹目になります。現在はベビーシッター、家事代行の合間にwebライターをしています。
愛猫:むつき
猫種:雑種
年齢:9才(推定)
好きなもの:ちゅ〜る、上の娘
特徴:ツヤツヤの毛並み、クリクリの目
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