地域猫に助けを求められて保護、お互いを支えあえるパートナーに【猫の里親体験談/神奈川】

地域猫に助けを求められて保護、お互いを支えあえるパートナーに【猫の里親体験談/神奈川】

地域猫だったキジトラの女の子きき。いまは里親のふじいはるなさんといっしょに、散歩やお出かけをする生活を楽しんでいます。そんな2人の出会いについて聞いてみました。

東京藝大で地域猫ボランティア

東京藝大で地域猫ボランティア

はるなさんは東京藝術大学出身。キャンパスには野良猫がたくさんいたそうです。

「もともと猫は大好きでした。でも、殺処分の現状や保護猫の譲渡について知ったのは、母校の東京藝術大学のゼミでお世話になっていた先生の影響が大きいです。その先生は大学構内で増え続けていた野良猫たちのTNRや譲渡、餌やりを自己資金で行っていました」

確かに大学のキャンパスって猫ちゃんがいますよね。先生おひとりで保護猫活動をされていたとは……!

「先生の活動をお手伝いするかたちで地域猫ボランティアのサークルができ、私も参加しました。芸術の大学なので部員の専門を活かしたチャリティコンサートを行うなどして資金繰りをしつつ活動をしていました」

学生が主体のボランティアサークルとはすごいですね! はるなさんはそんな経験から、「猫を飼うなら保護猫」という感覚は当たり前と思うようになったそうです。

夜の谷中霊園での出会い

夜の谷中霊園での出会い

はるなさんとききちゃんの出会いは桜の名所の谷中霊園。日暮里駅から大学まで通学する道中で、ききちゃんと顔見知りになったそうです。

「アルバイトをして夜遅くに谷中霊園を歩いていたら、街頭の光の下に1匹のキジトラ柄の猫が佇んでいました。近くには夜桜を見ている数組のカップルがいて、興味深げに見回しながら『なんで夜遅いのにこんなにたくさんのヒトがいるんだろう?』とでも言いたげに時折首を傾げたりしているのが、なんとも言えず可愛くて」

なんだか小説のワンシーンのようです。

「しゃがんだ状態でずりずりと近づき、そっと撫でてみました。するとすぐにころんと寝転んでお腹を出してしまったんです。その猫が今のききです」

初対面でお腹を見せてくれるなんて、人懐っこい子だったのですね~

「谷中霊園ではたくさんの地域猫が生活していて、そのうちの数匹と交流があったのですが、ききがダントツで懐いてくれました」

このときのききちゃんは、谷中霊園で寝起きし、ボランティアさんたちにお世話をしてもらっていた地域猫だったそうです。

それにしてもはるなさん、猫ちゃんに好かれやすいタイプなのでは!? うらやましい~

「助けて!」ききちゃんからのSOS

「助けて!」ききちゃんからのSOS

はるなさんとききちゃんは顔を合わせばいっしょに遊ぶ仲になったそうです。

そんなある日、ききちゃんに異変が……

「ききは猫風邪をこじらせてしまったようで、『助けて!』とメッセージを発信してきました。看病のために家に連れて帰って、そのまま引き取ることになったんです」

はるなさんは、病気のききちゃんを抱えて病院へ。

「深夜にまた具合が悪くなり、タクシーで夜間も開いている病院へ走ったりもしました。食欲もなかったし、目やにと鼻水がひどくて」

危ないところだったんですね。はるなさんに助けられて本当によかった!

「心配でした。同時にとても賢く、いっしょに生活しやすい猫だということもわかりました。何だかそわそわしていたので、急いで猫砂を買ってきてトイレを準備してやったら、すぐに用を足したので感心しました。しつけで苦労したことは全くありません」

いつもいっしょ、お出かけ大好き!

いつもいっしょ、お出かけ大好き!

とってもお利巧で穏やかな性格のききちゃん。いっしょに暮らし始めると、好奇心がとても強い猫ちゃんだということがわかりました。

「お散歩が大好きです。普段は1日2回、ハーネスとリードを付けてお洋服も着て、いろいろなところにお出かけします。自分の足で歩く時もあれば、自転車の前カゴに乗って公園やカフェに行くこともあります」

▲お洋服も似合っています
▲お洋服も似合っています

「大嫌いなものはお留守番。ききだけ置いて外出すると、帰宅したとき物凄い形相で怒りを表現しています笑」

はるなさんのことが大好きなんですね~

「新幹線に乗って遠出するのも大好きです。旅先では夜間だけキャットホテルに預けて、日中は一緒に行動します。ホテルライフも楽しみにしているようです」

とっても幸せそうです♪

「猫のいる休憩室」のはじまり

「猫のいる休憩室」のはじまり

ききちゃんといっしょにお出かけを楽しむはるなさん。もうひとつ、新しい発見があったようです。

「私の職場が入居しているビルのオーナーさんが猫好きで、縁あって職場の隣の空いてる店舗をお借りして、ききと一緒に「猫のいる休憩室」を運営するボランティア活動を不定期で始めたところです(※現在はコロナウイルスの影響で中断しています)

「猫のいる休憩室」気になるワードですね。

「渋谷や原宿には、小さなお子様連れの家族が安心して休める場所がなかなかないので、無料で休憩スペースを提供し、ついでに保護猫についての理解も広めよう、という場所なんです」

素敵な取り組みですね! そこにききちゃんも出勤しているんですね。

「親子連れ以外もたくさんの方がいらしているのですが、皆さんききの人懐っこさとホスピタリティに感動されてます。猫1匹がこんなにもたくさんの人の心をほぐすんだなあ、と私も驚いているところです」

▲看板猫のききちゃん
▲看板猫のききちゃん

猫と支えあえる存在に

猫と支えあえる存在に

はるなさんに、猫ってどんな存在なのか聞いてみました。

「猫は癒やしの道具でもなければ、可愛いだけでもなく、単に世話をしてやる対象でもありません。1匹ずつに人格のようなものがあるからこそ、同じ生命体として対等な関係を築けるんだと思います。お互いを精神的に支えあえる存在だと信じています」

そう、猫ちゃんの魅力は可愛いだけじゃありませんよね。精神的に支えあえる存在といえるまで、「いい関係」を築けているってすばらしいですね。

「猫が声をあげたりじっと見つめてきたりスリスリするときは、何かしら表現したいことがある時なので、忙しくても一旦は向き合うようにしています」

猫ちゃんと仲良くできるコツってあるのでしょうか?

「保護猫だからって難しいことはないです。性格ができあがってから出会えば、そのぶん打ち解けるまでに時間はかかると私は思います。必ず仲良く生活できるときがくるので、猫ちゃんのペースに合わせながら真剣に向き合ってあげてください」

保護猫ちゃんは、とっても個性的で魅力的な子が多いですよね。

「猫の個性は見た目や血筋だけでは量れないと思っています。無料でくれるから、ではなく、たくさんの子から相性の良い子を選べる絶好の機会として、保護猫に多くの人の目が向くような社会になることを願っています」

そうですね、もっと保護猫や里親について知ってもらうことが大切ですよね。「猫を飼うなら保護猫」と思える人を増やしたいのは私も同じ想いです。

「ききちゃんといっしょにたくさん国内旅行をしたい」というはるなさん。「猫のいる休憩室」の活動も続けていきたいと語ってくれました。

飼い主:ふじいはるな(@8moon___
神奈川県在住|猫飼育歴:2年5か月
東京藝術大学在学時代に地域猫ボランティアサークル「藝大猫との共生を考える会」に所属。現在は渋谷区神南にあるジュエリーセレクトショップに勤める傍ら、ショップ隣で「Vivi & Sandra + KIKI」という無料休憩室を不定期で運営するボランティア活動をしています。

愛猫:きき(@kiki_et_key
猫種:キジトラ(ミックス)
年齢:不明
好きなもの:お出かけ
特徴:お洋服とハーネスを着けると楽しいことが起こる、と覚えています。最近はお家でもキャリーバッグの中で寝ています。

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猫ちゃん大好きな編集部スタッフが論文などの情報に基づき、野良猫・保護猫と里親をつなぐ情報をお届けします。

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