【保存版】猫伝染性腹膜炎 FIPの高額治療費をクラウドファンディングで支援してもらう方法とは?

猫伝染性腹膜炎 FIPの高額治療費をクラウドファンディングで支援してもらう方法とは?

今回は猫ちゃんの病気のなかでも不治の病といわれる「猫伝染性腹膜炎 FIP」についてお話ししたいと思います。

FIPはワクチンで防ぐことはできず、致死率がほぼ100%という恐ろしい病気です。治療費は100万円を超える場合もありますが、それでも愛猫を助けたいという飼い主さんのためにクラウドファンディングで治療費を集める方法をまとめてみました。

猫伝染性腹膜炎(FIP)とは?

猫伝染性腹膜炎(FIP)とは?

FIPは「猫コロナウイルス」が猫の体内で突然変異して発症します。多くの猫が猫コロナウイルスを保有しており、無症状もしくは軽い下痢程度で済む場合が多いです。

しかし、約10%の猫ちゃんがFIPを発症してしまいます。FIPを発症したら完治は難しく、残念ながら死に至ってしまいます。FIPを発症するのは3歳以下の子猫や老猫に多いといわれています。

猫コロナウイルスの感染経路と予防法

親猫や他の猫から経口感染します。猫から人、人から猫への猫コロナウイルスの感染は確認されていません。人間界の新型コロナウイルスとは別物になります。FIP発症のメカニズムは明らかになっていませんが、まずは猫コロナウイルスに感染させないことが大切です。完全室内飼いすることも予防につながります。

FIPの症状

体重減少・元気減退・発熱の症状が現れます。大きくわけて「ウェットタイプ」「ドライタイプ」に分類されます。ウェットタイプは腹水や胸水がたまり、呼吸困難などの症状を起こします。ドライタイプは脳の炎症から、麻痺やけいれんなどの神経症状を起こします。

高額な治療費がかかるFIP

高額な治療費がかかるFIP

これまで、FIPのワクチンや特効薬は存在していませんでした。しかし近年、「MUTIAN(ムティアン)」という新薬がFIP治療に効果的だといわれています。まだ日本では認可されていないため、輸入に頼らざるを得ません。

MUTIANは100mgの錠剤1粒が約2,400円という高価な薬になります。体重1kgに対して1粒、84日間の連続した投薬が必要になります。例えば体重4kgの猫ちゃんなら、2,400円×4錠×84日間で薬代だけで804,600円がかかります。

また、MUTIANの投薬が受けられる提携病院は東京、神奈川、大阪、広島にしかありません。交通費や検査費用もあわせると、治療費が100万円を超える場合が多いようです。

ペット保険はFIP対象外

ペット保険に加入している猫ちゃんも多いと思いますが、FIPに関しては対象外になる保険会社がほとんどです。なかには限度額まで補償するという保険会社もありますが、それでも自己負担する治療費は高額になります。

クラウドファンディングという手もある

飼い主として、病気の猫ちゃんを助けたいと思うのは当然です。でも、治療費が用意できないというとき「クラウドファンディング」を利用するという手があります。

クラウドファンディングとは

クラウドファンディングとは

クラウドファンディングとは、「crowd=群集」と「Funding=資金調達」を組み合わせた造語で、たくさんの人から資金を集めることを意味しています。

クラウドファンディングは、インターネットや決済システムの発達とともに急速に普及しました。企業だけでなく、これから事業を起こす人や個人でも気軽に資金調達ができるのが魅力です。

ここからはクラウドファンディングとはどんなものか、詳しく解説します。

クラウドファンディングの仕組み

クラウドファンディングサイトは「支援を必要としている人」「支援したい人」をマッチングするサービスを運営しています。日本国内だけでも多くのクラウドファンディングサイトがあり、そこに登録することで支援者から資金を集めることができます。

クラウドファンディングは「購入型」「融資型」「投資型」「寄付型」の4タイプに分類することができます。ほとんどの場合は「購入型」で実施され、支援者は自分の欲しい商品やサービスを優先的に利用できます。

「融資型」「投資型」は出資者に対して利子や配当という形で金銭的なリターンを得ます。「寄付型」の場合は社会貢献的なプロジェクトが多く、商品やサービス、金銭のリターンはありません。

クラウドファンディングサイトの運営者は、集まった資金のうち決まった割合の手数料を受け取ります。

「All or Nothing型」と「All In型」

「FIPの治療費を集めたい」といったプロジェクトは「購入型」になります。購入型クラウドファンディングにはAll or Nothing型」と「All In型」といった2種類の仕組みがあり、どちらかを選んで募集することができます。

「All or Nothing型」は目標金額を達成した場合のみプロジェクトが成立し、お金を受け取ることができます。目標金額を達成しないと実行できないプロジェクトの場合は、こちらを選択します。

「All In型」は目標金額を達成しなくても、ひとりでも支援者がいればプロジェクトが成立します。プロジェクトを実施することが決まっている、確実にリターンできる場合はこちらを選択します。

クラウドファンディングのメリット

個人がかんたんに資金調達をすることができるので、これまで実現不可能だったことにもチャレンジしやすくなります。職業や資格は関係なく、かなえたい夢や達成したい目標があれば、誰でもチャレンジできます。

SNSを活用すれば、さらに広く支援を募ることができます。またプロジェクトに共感する人とのつながりが新たに芽生えることもメリットです。

クラウドファンディングのデメリット

必ずしも目標金額が集まるとは限りません。また、購入型の場合は、支援者へのリターンを用意する必要があります。

例えば、猫ちゃんのポストカードやオリジナルバッグなどの小物をリターンしていることが多いようですが、「猫ちゃんを助けたい」支援者が集まるので、リターンよりも飼い主さんの熱意に共感できるかどうかが重視されています。

おすすめのクラウドファンディングサイト

「CAMPFIRE」「READYFOR」は購入型のクラウドファンディングサイトで、個人が資金を集める際にも利用できるのでおすすめです。

CAMPFIRE公式サイト:https://camp-fire.jp/
READYFOR公式サイト:https://readyfor.jp/

上記サイト内で「FIP」と検索すると、FIPに悩む飼い主さんと猫ちゃんのプロジェクトページを見ることができるので参考にしてみてください。

ちなみにCAMPFIREは他のクラウドファンディングサイトとの併用は禁止されていませんが、READYFORでは禁止しているので注意しましょう。

CAMPFIRE(キャンプファイヤー)でクラウドファンディングを始める

CAMPFIRE(キャンプファイヤー)でクラウドファンディングを始める

これまでのプロジェクト数は3万件以上、208万人以上の支援者によって、総額184億円を超える支援が行われてきた国内最大級のクラウドファンディングサイトです。そのため支援者も多く、充実したサポート体制が整っています。プロジェクトの審査期間は約3日で、最短即日での公開も可能。

  • 掲載料:0円
  • 手数料:12%
  • 決済手数料:5%
  • 募集方式:All-In/All-or-Nothing
  • 資金振込:月末締め翌月末(早期振込サービスあり)

クラウドファンディングの始め方

使い方はとてもシンプルでわかりやすいので、すぐにでも始められます。

プロジェクト作成ページ:https://camp-fire.jp/readyfor#plan

1.会員登録
上記ページの「プロジェクトを作る」を選択。メールアドレスもしくはTwitterアカウント、facebookアカウント、LINEアカウントで会員登録を行います。

2.プロジェクトの編集
会員登録後、管理画面にログインします。「目標金額」「募集終了日」を設定し、All-In方式もしくはAll or Nothing方式を選択します。キャッチーなタイトル、画像、動画も設定します。

3.本文の編集
このプロジェクトで実現したいこと、プロジェクトをやろうと思った理由、資金の使い道など、クラウドファンディングにかける想いを語りつくします。本文中にも画像や動画を挿入にできるので、わかりやすく、読みやすくまとめましょう。クラウドファンディングの準備・運営・集客のノウハウを公開しているので参考にしてみてください。

4.本人確認
名前、住所などの情報を登録します。

5.審査・公開
審査は最短で即日~3日間で完了します。公開後はSNSを利用して、ひとりでも多くの人にプロジェクトを知ってもらうようにしましょう。

6.活動報告
募集終了日までに「活動報告」をこまめに投稿するようにします。活動報告を更新することで、トップページの「最新の活動報告」に掲載されるため、より露出を増やすことができます。

7.資金受け取り
支援金から手数料を差し引いた金額が翌月末に指定口座に振り込まれます。All or Nothing方式で目標金額未達の場合は振り込まれません。

8.リターン送付
支援者へリターンを送付します。

READYFOR(レディーフォー)でクラウドファンディングを始める

READYFOR(レディーフォー)でクラウドファンディングを始める

プロジェクト達成率75%という高水準を誇るクラウドファンディングサイトです。手数料が安い点が魅力ですが、All-or-Nothing方式のみの募集になります。ただし、募集期間中に目標金額を達成したら「ネクストゴール」を設定することができ、集まった資金はすべて受け取れます。フルサポートプランの場合は「キュレーター」という専任スタッフが、共感を集めやすいページ構成や文章などを提案します。

  • 掲載料:0円
  • 手数料:シンプルプラン12%、フルサポートプラン17%
  • 決済手数料:手数料に含む
  • 募集方式:All-or-Nothing
  • 資金振込:翌々月10日(早期振込サービスあり)

クラウドファンディングの始め方

まずは以下のページで会員登録を行います。クラウドファンディングが初めての方は「シンプルプラン」から始めてみましょう。

プロジェクト作成ページ:https://readyfor.jp/proposals/intro

1.会員登録
上記ページの「シンプルプランですぐに始める」を選択。メールアドレスもしくはfacebookアカウントで会員登録を行います。

2.契約書の編集
会員登録後、管理画面にログインします。「契約書の編集」「ページの編集」を行って、プロジェクトを申請します。まずは「契約書の編集」から必要事項を入力しましょう。

3.ページの編集
いよいよページの編集を行います。支援者の目を引きやすいタイトル・画像を登録し、ストーリーを編集します。自己紹介、プロジェクトを立ち上げたきっかけ、プロジェクトの内容をわかりやすい文章で作成します。編集途中で保存もできるので安心です。また、Readyforサプリで、クラウドファンディング成功のためのノウハウを公開しているので参考にしてみてください。

4.リターンの設定
支援金額ごとに、どのようなリターンを行うのかを決めます。

5.審査・公開
申請後、約3週間ほどで公開になります。SNSなどにシェアして支援を募りましょう。支援総額が目標金額に達すると「達成」、さらにネクストゴールを設定した場合は「NEXT GOAL挑戦中」、募集期間終了時に目標金額を達成していれば「成立」 となります。

6.資金受け取り
目標金額を達成したら、終了日の翌々月10日に指定口座に振り込まれます。All or Nothing方式のため、不成立の場合は振り込まれません。

6.リターン送付
支援者へリターンを送付します。

クラウドファンディングでFIPの治療費が集まった事例

クラウドファンディングでFIPの治療費が集まった事例

実際にクラウドファンディングでFIPの治療費が集まった事例を見てみましょう。

保護猫のグレくん 1,619,211円達成

保護猫のグレくん 1,619,211円達成

地域猫活動をお手伝いしている飼い主さん。生後2か月のグレくんを引き取って暮らしていたところ、突然の下半身不随からFIPの診断が下ったそうです。

グレくんはまだ9か月の子猫ちゃん。症状の進行が早く、焦りを感じつつも治療費を用意することができなかったため、クラウドファンディングに挑戦することに。CAMPFIREで支援を募ったところ、無事に目標金額に達しMUTIANの投薬を開始。危険な状態を乗り越え、FIPの症状は快方に向かっているそうです。本当に良かったですね。

飼い主さんの熱意やクラウドファンディングを始める経緯、グレくんの様子など、CAMPFIREプロジェクトページで詳細を確認できます。

まとめ

FIPは不治の病といわれていますが、新薬MUTIANの登場で元気を取り戻した猫ちゃんもいます。

しかし、高額な上に、MUTIANの投与ができる動物病院も限られているのが現状です。経済的な負担は相当なものになることが予想されます。でも、いまはクラウドファンディングという方法で資金を集めることができます。

クラウドファンディングの成功の秘訣は、文章の上手さよりも、必要なのは熱意だと思っています。猫ちゃんが純血種でも、元野良猫でも関係ありません。小さな命を諦めてしまう前に、可能性があるのならぜひチャレンジしてみましょう。

というわけで、今回は「猫伝染性腹膜炎 FIPの高額治療費をクラウドファンディングで支援してもらう方法とは?」の話をしてみました。
参考になれば幸いです。

では、また。

株式会社ぽぽねこ代表取締役。長年、ペット業界に従事。動物愛護団体への寄付を通じて、 猫の殺処分ゼロ活動を支援している。

プロフィール

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