猫の防災グッズへの支出が増加している理由とは【災害避難時の脱走に備える】
災害が起こった時、猫ちゃんといっしょに避難する準備はできていますか?
猫ちゃんと避難するとき、脱走対策は必須です。そのための「防災グッズ」は欠かせません。しかし、「防災グッズといっても何を準備すればいいのかわからない」という方も多いと思います。
いざというときに猫ちゃんの命を守るため、飼い主として備えておくべき防災グッズについて考えてみましょう。
猫の防災グッズへの関心が高まっている
2011年の東日本大震災以降、地震、台風、水害など多くの災害が発生しました。防災意識の高まりとともに、ペットの防災についても関心が高まっています。
ペットにかける年間支出調査 2019
出典:アニコム損害保険株式会社「ペットにかける年間支出調査 2019」より引用
アニコム損害保険株式会社の「ペットにかける年間支出調査」によると、防災用品への支出は犬猫ともに2018年よりも大きく伸び、猫の場合は2.2倍になっています。
また、犬の飼い主よりも、猫の飼い主のほうが防災用品にお金をかけていることがわかりますね。
なぜ猫の防災グッズへの関心が高まっているのか
いざ避難しようと思っても、わんちゃんよりも猫ちゃんのほうが避難の際に苦労することが多かったようです。その理由を考えてみましょう。
脱走リスクが高い
猫ちゃんは大きな音や環境の変化に敏感です。身体能力も高いので、脱走のリスクが非常に高いです。
災害発生時に驚いて外に飛び出してしまった、キャリーバッグから逃げてしまったというケースもあります。交通事故にあう危険だけでなく、飼い主のいない猫として保健所や動物愛護センターに収容されてしまうことも防がなくてはなりません。避難時の脱走対策は必須です。
多頭飼いが多い
ぽぽねこの調査では、ねこちゃんを多頭飼いしている飼い主さんは全体の55%以上でした。ねこちゃんが2匹以上いる場合、猫の頭数分のキャリーバッグが必要になりますし、避難するには体力も工夫も必要になります。
■調査概要
調査名:猫ちゃんの住環境に関するアンケート
対象者:ぽぽねこ公式オンラインショップ会員
回答数:387
調査方法:インターネット調査
調査機関:株式会社ぽぽねこ
トイレや飲料水への配慮が必要
猫ちゃんは砂状の場所でトイレをする習性があります。そのため、避難の際はトイレとトイレ砂もいっしょに持っていく必要があります。ビニール袋と破いた新聞紙で代用することもできますが、コンパクトで軽量なポータブルトイレも人気です。
また、水を備蓄する場合は「硬水」ではなく「軟水」にしましょう。「硬水」は尿結石の原因になりやすいので注意が必要です。
軟水のミネラルウォーターの例
猫といっしょの避難生活を想定してみる
猫ちゃん用の避難グッズを用意して、災害発生時のシミュレーションをしてみましょう。誰が猫ちゃんや防災グッズを運ぶか、絶対に必要な防災グッズは何かを確認しておけば、いざというときに慌てません。
また、避難時に持ち運びできる量を把握するためにも、非常用持ち出し袋とキャリーバッグを実際に持ってみましょう。
避難時に本当に必要な防災グッズ
避難時にぜったいに必要なものを揃え、すぐに持ち出せるように準備しておきましょう。すべて、猫ちゃんの数だけ必要です。
・フード(最低3日分)
・水(軟水)
・フードや水の器
・薬(持病がある場合)
・トイレ(簡易的なものでもOK)
・猫ちゃんの保険証・ワクチン証明書・健康手帳
・首輪・ハーネス・リード(迷子札をつけておく)
・キャリーバッグ
避難後、自宅に荷物を取りに戻れるようなら、以下のものもあると便利です。
・ケージ
・おやつ
・タオルや毛布
・おもちゃ
脱走対策に猫用ハーネスを活用
キャリーバッグからの飛び出し防止のため、猫用ハーネスも必要です。また、避難所には多くの人が集まるため、周囲への配慮のためにも欠かせません。
リードをつけておけば、避難所で運動をさせたり、トイレをさせたりするときの脱走も防げます。形状や素材もさまざまなので、体格にあったものを選んで慣らしておくようにしましょう。
●ぽぽねこ公式オンラインショップ
猫に優しいベスト型ハーネス・リード付き ダンガリー
普段から備えておきたいこと
緊急時には猫ちゃんとといっしょの「同行避難」が推奨されています。猫の受け入れ可能な避難所をあらかじめ調べておき、避難ルートもおさえておく必要があります。
スムーズに避難するために「普段からの備え」について確認しておきましょう。
●非常用持ち出し袋の準備
前述した「避難時に本当に必要な防災グッズ」をカバンに詰めておきます。定期的にフードの賞味期限もチェックしましょう。
●キャリーバッグに慣らす
キャリーバッグをリラックススペースとして普段使いしてみましょう。慣れておくことで、避難の際もストレスなく移動できます。リュックタイプのもの、簡易ケージとして使えるものなど、たくさん種類があるので、猫ちゃんの飼育頭数や用途に応じて選ぶようにしましょう。
●首輪・ハーネスに慣らす
避難時や避難所生活での脱走対策に、ハーネスとリードは欠かせません。普段から猫首輪やハーネスに慣れさせておくようにしましょう。迷子札も忘れずにつけておきます。
●マイクロチップの装着
首輪が外れてしまっても、皮下に埋め込んだマイクロチップを読み取ることで身元の照会ができます。
●脱走・迷子対策
災害時に猫ちゃんが迷子になってしまったときのために、あらかじめ「迷い猫ポスター」を作っておくと安心です。無料で使えるテンプレートもあるので用意しておきましょう。また「猫がいますステッカー」を貼っておくことで、ご近所にも猫がいることを知ってもらえます。
●いっしょに写真を撮る
飼い主さんと猫ちゃんがいっしょに写っていれば、飼い主の証明ができます。猫ちゃんを探すときにも役立つので、定期的に写真を撮っておくようにしましょう。
●ノミダニ対策・ワクチン接種
避難所では周りの方や他の猫ちゃんへの配慮が必要です。ノミダニ対策は必須です。また、猫ちゃんを預けるときに、ワクチン接種が必須条件になることが多いので、忘れないようにしましょう。
まとめ
災害はいつ起こるかわかりません。そのときに、猫ちゃんを守れるのはあなたしかいません。
フードや水などの「防災グッズ」を用意することはもちろん、ハーネスやリードに慣らして脱走対策を周到にしておくことが大切です。いつかのために、いますぐに備えましょう。
というわけで、今回は「猫の防災グッズへの支出が増加している理由とは【避難時の脱走に備える】」の話をしてみました。
参考になれば幸いです。
では、また。
今回は、猫の防災をテーマに書いてみました。
記事を公開した数時間後に早速震度4の地震が…。
猫ちゃん連れの避難は想像以上に大変です。
すでに防災グッズを備えている飼い主さんも今一度中身をチェックして万全の備えをおすすめします。