はじめて保護猫と暮らす不安、病気のケアで深まる絆【猫の里親体験談/岡山】

はじめて猫と暮らす不安、病気のケアで深まる絆【猫の里親体験談】

はじめて猫を飼う不安を乗り越え里親になったれいさん。過去の病気の後遺症を抱えた保護猫竹千代ちゃんを懸命にケアする毎日。そして深まる愛情と絆。愛猫と飼い主さんに笑顔が溢れるようになるまでのエピソードを、語っていただきました。

はじめて猫と一緒に暮らす

はじめて猫と一緒に暮らす

ーーれいさんが竹千代ちゃんの里親になった経緯を教えてください

ずっと猫を飼ってみたかったんです。家族が犬派だったので、犬とは幼い頃から共に暮らしていたのですが、猫は飼ったことがなくて。竹千代と出会う数年前に、私が初めて社会人になった時に飼い始めたチワワが虹の向こうに行ってしまいました。当時も私は一人暮らしでチワワは実家だったのですが、晩年のチワワは実家の家族と悠々自適に過ごしたみたいなのです。それ以来私自身が動物に触れることが全くなくなってしまいました。ちょうど年齢的にもターニングポイントだったので、ペット飼育可の賃貸に引っ越しして竹千代と暮らし始めました。

ーーれいさんが里親になろうと思った理由はどのようなものでしたか?

漠然とですが、保健所からの引取りなど「保護猫の里親になる」ことを前提として猫を探そうと決めていました。特にこれ!と言った理由はないのですが、ずっとおうちを探している猫ちゃんにしようとは決めていました。

ーーどのように保護猫を探しましたか?

当時仕事の休みが平日にしか取れなかったので譲渡会にはなかなか参加することができませんでした。なのでインターネットで猫のことや里親のことを調べていたんです。Twitterでも里親を探されている方や里親アカウントもあったりしてましたね。調べているうちにインターネットの里親サイト『ペットのおうち』を見つけました。そちらに登録して岡山県内の猫さんを探しました。

ーー譲渡会に行く前にやったこと、不安だったことはありましたか?

ペットのおうち経由で保護主の方と知り合い、規約を確認して保護主の方と相談しながらまずはお見合いをということになりました。

とても不安でしたね!同時に楽しみでもあったんですけど、なにせ初めての猫ちゃんなので分からないんですよ。なにが分からないのかすら分からないくらい。なのでまずは月並みですけど本を買ったりして最低限必要なことを調べました。

保護猫との出会い、過去の病

保護猫との出会い、過去の病

ーーれいさんと竹千代ちゃんとの出会いはどのようなものでしたか?

ペットおうちの写真を見てこの子だ!と思ったんです(笑)。何枚かの写真が掲載されていた中で長くなって寝ている竹千代の写真があったんです。単純に、かわいい!と思いました。一目惚れでしたね。

実際に保護主の方のお家に出向くと、沢山の猫さんが居ました。中には子猫なのに病気の子もいました。こんなに沢山の猫さんを一度に見るのは初めて新鮮でした。

ーーその中から竹千代ちゃんを選んだ理由を教えて下さい

他の子ももちろんかわいい子ばかり、いろんな毛並みの子がいました。そのとき竹千代は猫トイレでお昼寝してたんです。何でそんなところに居るの?と思いましたけど(笑)。抱っこさせてもらったんですが、初めて猫ちゃんを抱っこするので抱き方がわからなくて、これでいいの?という感じでした(笑)軟らかくてびっくりしましたよ。ぎこちなく抱っこしたのに、ゴロゴロ喉を鳴らしてそのままお昼寝し続けたんです。なんてかわいいんだろう、と思いました。

ーー竹千代ちゃんはどんな過去のお持ちでしたか?

幼い頃に酷い猫風邪になったそうです。目ヤニで目が開くのに何日もかかって、竹千代の兄弟の中には命を落とした子もいたそうです…。その後遺症で竹千代は目に白濁が残り、瞬膜(しゅんまく)も癒着しています。目は見えているのかな。白い膜が張ったような見え方かも知れないです。鼻水とくしゃみも年中よく出ます。

あとは…これは実際に一緒に暮らし始めてから痛感したんですけど、とてもやんちゃで甘えん坊!飼い主の指を吸うのも随分続いた程甘えん坊です。あとは、とても人懐っこいみたいで、お見合いに来られる里親希望の方々をよく骨抜きにしていたようです。保護主の方々の間でも余りにもちゅーちゅー指吸いをしてくるので、ちょっとした有名猫だったみたいです(笑)。

ーー竹千代ちゃんを決めたときに思ったこと、感じたことを教えてください

初めてのお見合いの時にぎこちなく抱っこしたにも関わらず、そのままゴロゴロと喉を鳴らして膝の上で寝始めたんです。一切の迷いが消えました(笑)。この子しかいない!と再認識しました。そのまま竹千代を膝で寝かせながら、保護主の方の説明を聞きました。

猫の習性がわからず不安に

はじめて猫と暮らす不安、病気のケアで深まる絆【猫の里親体験談】

ーー里親になるまでの流れを教えてください

お見合いの時に身分証明書などを提示し、誓約書に署名をしました。私は竹千代を迎え入れるまでに引っ越しをしなければいけなかったので、保護主の方に引っ越し後の日付や、新しい住所、いつまで現住所なのかなどをお伝えしました。

ーー申し込み〜家庭訪問〜譲渡決定までのエピソードを教えてください

家庭訪問はなかったんです。ケージも必要か聞きましたが、竹千代はわが家に来た時に既に推定4カ月を過ぎていたので、子猫ほどケージは必須じゃなかったんです。私も一人暮らしで、他に動物も居なかったので。引っ越しをした翌日、台風の日に竹千代をお迎え行きました。

ーー我が家に迎えてから現在まではどのように過ごしてきましたか?

最初は猫ちゃんの習性が分からなすぎて、正直怖かったです!犬しか共に暮らしたことがなかったので、当たり前ですが全く違って。最初は台所には立ち入り禁止にしてたんですけど鳴いてしまって。仕方なく台所での危ないものはすべて戸棚にしまって、あとは自己責任だよ!と竹千代に言い聞かせて好きなようにさせました。

目ヤニがうちに来た当初は今よりずっとひどかったのですが、毎朝目の周りを拭いて点眼してから仕事に行ってました。帰宅したら歌舞伎役者みたいに目の周りが目ヤニで真っ黒になってるので、また拭いて点眼して…って、してました。最近はかなり目ヤニが減りました!季節の変わり目くらいですね。でも、うちにすらまだ慣れてないうちから点眼をしていたので、お互い絆は早く深まったかもしれないです。毎日一緒に寝て、起きて、ご飯も同じようなタイミングで食べて、遊んで…。ひっつきもっちきして過ごしています。

愛猫がいるから笑顔になれる

愛猫がいるから笑顔になれる

ーーこれから里親になるひとにれいさんからアドバイスをお願いします

やっぱり飼い主の行動範囲は狭まりますね、泊まりがけは無理です。あとは、仕事中や外出中も竹千代がどう過ごしてるか気になって仕方がないです。出かけた途端に早く家に帰りたいほどです(笑)。でも、そうなって欲しいです、飼い主には。

あとは私は趣味で絵を描いたり作ったりするのですが、猫と暮らすと描けないです。ひとりと一ニャンには、そんなに狭くないお部屋のはずなのに、ピンポイントでスケッチブックの上に鎮座します。セーターも爪が引っかかるし、デニムも爪とぎされますし、ソファーも爪とぎされます。ウンチは臭いです。でも、それら全てひっくるめてもあり余るほどの幸せをくれます。辛いことや悲しいことがあっても、竹千代が居るから笑顔になれます。

あとは竹千代に悲しい思いをさせないこと、私がちゃんと見送ること、それだけです。

飼い主:れい
岡山県在住|猫飼育歴:4年11カ月
竹千代と絵を描くことが好きです。

愛猫:竹千代
猫種:混合種
年齢:推定4歳11カ月
好きなもの:カリカリ、猫のおもちゃ、顔へのジャンプ、飼い主
特徴:甘えん坊でやんちゃで、心が広い。ちょっと繊細。

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