猫の里親詐欺とは?【猫を里親に出して後悔しないために】
お家のない猫ちゃんの里親探しが活発になり、幸せをつかむ猫ちゃんが増えています。うれしさがこみ上げる一方で、猫の里親詐欺が問題になっているのをご存知でしょうか。
里親詐欺とは、里親を探している保護主や飼い主から猫ちゃんをだまし取る行為。猫ちゃんにひどいことをするのが目的で、過去には逮捕者も出ています。猫ちゃんを里親に出して後悔しないために、猫の里親詐欺の手口と防止策について、ぜひ知ってほしいと思います。
猫の里親詐欺って?
前回、やむを得ない事情で猫ちゃんを手放さなければならくなってしまったら、里親を見つけることに力を尽くしてほしいとお話ししました。
猫ちゃんの里親募集サイトやSNSが充実しているいま、里親を探している人と、里親になりたい人のマッチングもかんたんにできるようになりました。しかし、そこにつけこんで里親詐欺をはたらく悪い人たちもいます。
里親詐欺とは猫をだまし取る行為
里親詐欺は、保護主や飼い主から猫ちゃんをだまし取る悪質な行為です。猫ちゃんにひどいことをするのが目的なことも多く、保護団体やボランティアさんの間で注意喚起されています。
動物虐待
虐待をする目的で猫の里親になる人がいます。猫好きを装って近づき、残虐ないじめを繰り返し、ストレス解消のために命を奪うという事件が実際にありました。これは、ぜったいに許せませんね。
再譲渡・転売
譲り受けた猫ちゃんを別の里親に引き渡し、医療費などをだまし取るケースがあります。また、三味線の皮にするために業者に転売されるケースも未だにあるようです。
動物実験
動物実験を行うために猫ちゃんを譲り受けるケース、動物実験用に転売されるケースもあります。
アニマルホーダー
アニマルホーダーとは異常な動物コレクターのことをいいます。一見、問題のないように思えるのですが、お世話の行き届かないほどの頭数を飼っている場合があり、衛生面や健康面が不十分な劣悪な環境で飼われるのは虐待と同じです。また、不妊去勢手術が行われていなければ繁殖をし続け、多頭飼育崩壊に繋がる恐れもあります。
猫の里親詐欺の過去事例
猫ちゃんが大好きな方にとっては、読むだけでも胸がしめつけられるような内容です。しかし、里親詐欺について知ることが里親詐欺被害の防止につながります。過去にどんな里親詐欺があったのかお伝えしたいと思います。
2011年 神奈川県川崎市の事例
インターネットの掲示板を通じて、10匹以上の猫ちゃんを譲り受け、床に叩きつける、アパートの2階から放り投げる、川に投げ込むなどの虐待を行い、殺害した事件がありました。男は動物愛護法違反、詐欺罪で逮捕、起訴されています。
この男の自宅には猫ちゃん用のケージやトイレが設置してあり、いかにも愛猫家を装っていたそうです。また、予防接種や不妊手術の経過を定期的に連絡してきていたそうです。
2020年 福岡県北九州市の事例
たくさんのわんちゃんや猫ちゃんの里親になっているにも関わらず、飽きたら保健所や動物愛護センターに持ち込んだり、遺棄したりと悪質な行為を繰り返していた夫婦について、注意喚起の情報がSNSなどで拡散されています。警察から厳重注意を受けているものの、アカウントを変更するなどして里親サイトからわんちゃんや猫ちゃんを譲り受けているそうで、要注意人物として警戒されています。
猫の里親詐欺に遭わないためにできること
私からのお願いです。この機会に里親詐欺の手口を知ってください。そして、信頼できる里親かどうか判断するポイントもぜひ知ってほしいです。きっと、それが猫ちゃんの幸せにつながると信じています。
里親詐欺の手口を知る
里親詐欺で猫ちゃんをだまし取ろうとする人は、あの手この手で近づいてきます。
SNSで焦って里親募集をしている人を狙う
「〇日までに里親が見つからなければ保健所に行くしかない」「入院するから緊急募集」など、焦って里親募集をしている人を狙っています。SNSでしか連絡が取れないような人物、怪しげなアカウントの場合は要注意です。
保護団体やボランティアと偽る
「保護活動をしているので今すぐ猫ちゃんを引き取れます」「子猫ちゃんを全員引き取ります」「格安料金で里親探しを代行します」などと親切なふりをして近づいてくることもあります。必ず素性を確認するようにし、安易に信用しないようにしましょう。
模範的な里親を装う
ケージもトイレも設置、猫の飼育経験もあり、戸建てで妻は専業主婦などと、好条件を提示している場合でも注意が必要です。少しでもあやしいな、変だなと思ったら勇気を持って断りましょう。
信頼できる相手かどうか確認する
そして、信頼できる里親かどうか、譲渡してしまう前に必ず確認してほしいことがあります。
里親本人と会う
いちばん大切なことは、里親になってくれる人と直接会って人柄を確かめることです。親や友人の代理という場合でも、必ず里親本人と会うようにしてください。住所や電話番号などの個人情報を明かさず、フリーのメールアドレスやSNSなどインターネット上のやりとりだけで済ませようとする場合も注意してください。
譲渡相手の自宅で引き渡す
猫ちゃんを引き渡すときは、必ず相手の自宅へ行き、飼育環境をチェックするようにしましょう。取りに来るといわれても、必ず相手の自宅へ届けるようにしましょう。ペット不可の賃貸住宅に住んでいた、猫ちゃんを飼える環境ではないという場合は譲渡してはいけません。自宅へのお届けを拒否する場合もぜったいに譲渡してはいけません。
多頭飼育ではないかチェック
猫ちゃんが大好きで飼育環境が整っているのなら問題ありません。しかし、アニマルホーダーではないことを確認するために、かかりつけの動物病院やワクチンの接種歴、避妊去勢手術の有無などを確認するようにしましょう。
契約書を交わす
多くの里親募集サイトでは、終生飼養を約束する契約書を取り交わすことを譲渡の条件にしています。定期的に連絡を取り、写真などで報告をもらうことも加えるとより良いかと思います。「猫 譲渡契約書」で検索すると、ひな形や例文がたくさん見つかるのでぜひ参考にしてください。
まとめ
そんなに慎重になっていては里親が見つからないのでは? と思われるかもしれませんが、里親詐欺から猫ちゃんを守れるのはあなたしかいません。
「里親になる条件が厳しすぎて里親になれなかった」という声も多く聞くのですが、猫の里親詐欺を防ぐために厳しい条件を設けていることを理解していただけたらと思います。
猫の里親を探すのはかんたんではありません。それでも、焦らずに、信用できる相手かどうかを確認する手間は惜しまないでほしいと思います。
というわけで、今回は「猫の里親詐欺とは?【猫を里親に出して後悔しないために】」についてお話ししてみました。
参考になれば幸いです。
では、また。
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